先端建設技術に関する技術開発を推進していくためには、公共事業の発注者のニーズを把握し、同時に複数の民間企業が保有する技術のシーズを集約し、委員会方式や共同研究方式などを通じて「産官学」の英知を集結することが大切です。
また、このような官民の枠組みを超えた連携を図っていくためには、中立・公平な立場で「官と民のつなぎ役」を行う組織が必要であり、このために平成元年に先端建設技術センターが設立されました。
以来、当センターは同目的を達成するために20年以上にわたって、無人化施工や大深度地下トンネル、新技術活用システム、建設副産物リサイクル技術、土壌浄化技術といった数多くの技術的課題について、自主研究や共同研究、研究開発助成、更には産官学共同委員会等を実施し、先端建設技術の推進に積極的に取り組んで参りました。
これらの研究成果は、年に数回開催する先端建設技術セミナーや広報誌などを通じて、関係者等に幅広く紹介し、先端建設技術の普及にも努めているところです。
平成23年2月25日(金)に名古屋の吹上ホールにて、本年度第2回目の先端建設技術セミナーを開催しました。
セミナーには行政機関、研究機関、設計・施工関係者など、363名の方々の参加をいただき、また発表に関する熱心な質問や意見も寄せられ、大変盛況裡に終了いたしました。
名古屋工業大学大学院 工学研究科 社会工学専攻 教授 山本 幸司 氏
国土交通省 中部地方整備局 企画部長 野田 徹 氏
我が国では発注者から関連産業に至る建設生産システム全般の変革に向けて、また企業の海外市場での受注獲得に向けて、建設生産システムに情報通信技術(ICT)を利用した取組みが鋭意進められています。 とりわけ、中部地方整備局では全国に先駆けて「建設ICT導入研究会」を設立し、200社以上もの企業の参加を得て、モデル工事の実施、現場支援策の検討、監督検査・施工管理に関する取組み、情報の一元化に関する取組み、設計に関する取組みなど、積極的な活動を展開しています。 山本教授は同研究会のマネジメント委員会の委員長を務めておられ、海外の事例との比較の上に我が国のICT施工技術の現状について紹介をいただき、また今後の展望と取り組むべき課題について御講演をいただきました。 また野田企画部長には、中部地方整備局の取り組みについて紹介をしていただきました。
山本 幸司 氏
野田 徹 氏
1 無人化施工におけるICT等の技術動向 |
普及振興部次長 古澤 正紀 |
2 新技術活用システムの普及と活用の促進に向けて | 上席審議役 新田 恭士 |
3 建設分野の環境技術の現状と展望-グリーン購入法を中心として- | 企画部上席参事 新妻 弘章 |
4 建設工事で遭遇する土壌・地下水汚染のリスクマネジメントに向けて | 研究第二部長 宮本 高行 |