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共同研究

 光ファイバー計測技術によるトンネルなど構造物維持管理の合理化技術

 国土交通省DX推進本部は、点検の質を確保しつつ効率化を進めるため、センサー等によるモニタリングデータやAI技術等を活用した点検や調査のデジタル化を推進することとしている。
 光ファイバーセンサー技術は、光ファイバーに光のパルスを入射し,発生する後方散乱光の周波数が温度,歪みや振動に比例して変化するという特性を利用して、連続的な位置での温度・歪み・振動を測定する技術である。
 光ファイバーセンサーは,耐久性が高く長期モニタリングが可能であるとともに、情報通信も可能であることから,インフラのライフタイム全般にわたるモニタリングに適したものである.しかしながら,これまで用いられてきた電気式ひずみゲージに対して精度や通信速度が劣っていたとともに,性能を確保できる光ファイバーセンサーの設置方法が確立されていなかったため、光ファイバーセンサー技術の適用事例は少なかった。
 特に,トンネル構造物については,構造物の劣化のみならず外力(地滑りや膨張性地山等)の影響があるにも関わらず、現状では,覆工コンクリートのひび割れだけを点検対象として補修・補強対策を定性的に決定している.そのため,定量的な解析による合理的かつ安全な設計が不可能であった。
 さらに、近年インバートの変状が顕在化しており、インバートは目視点検ができないため,新たな点検調査方法の開発が望まれている。インバート施工中に光ファイバーを設置してすることで、インバートの健全性が評価可能となる。
 覆工コンクリートに光ファイバーセンサーを設置することで、覆工コンクリートの応力がわかるだけでなく、坑内温度の変化より火災の発生やつららの発生を早期に検知できる。また、人が容易には入れず定期点検が困難な下水道等の狭隘な水路トンネルや,交通量が多く通行止めでの調査が困難なトンネルや大断面のため高所での近接目視が非効率なトンネルにおいては、監視に代わる有効な調査方法である。
 したがって、本研究では、インフラ構造物全般への適用の第一歩として新規トンネルの施工時に各支保部材(吹付コンクリート、鋼製支保工、ロックボルト,インバートコンクリート)に光ファイバーセンサーを設置する実装技術を開発する。また、変状の発生した既設トンネルに光ファイバーセンサーを効率的に設置する技術を開発する。
 さらに、これらの計測結果に基づく健全性評価技術を構築するとともに、合理的な補修・補強技術の提案が行える維持管理要領案を提案する。

 令和3年度と令和4年度は国土交通省より建設技術研究開発助成金をいただき,以下の5社で共同研究を実施している.
 研究代表者  鹿島建設株式会社
 共同研究者  一般財団法人先端建設技術センター,リテックエンジニアリング株式会社
        八千代エンジニヤリング株式会社,ニューブレクス株式会社